税務調査とは?知っておけば怖くない!調査に備えて知っておくべきこと

「税務調査」と聞くと、「お金を取られる」「厳しく問いただされる」といった怖いイメージを持つ方は多いのではないでしょうか。しかし、日々適切に経理業務を行っていれば、過度に恐れる必要はありません。この記事では、税務調査の概要と調査の流れ、準備すべきことを解説していきます。税務調査について理解して、備えておきましょう。

 

税務調査とは

1.税務調査の目的

税務調査の目的は、法人税・源泉所得税・消費税などについて、納税者が正確に申告を行っているかを確認することです。これらの税金は会社が自ら所得の金額を申告し、それをもとに納税する「申告納税制度」です。そのため、計算ミスや虚偽の申告等によって、正確な金額の納税ができていない可能性があり、税務署の職員が申告内容の正確性を確認します。それによって本来納めるべき税金を納めていないことがわかれば追加徴税となる場合もあります。

 

納税者は法律で定められたルールに従って申告・納税をします。同じルールの下で公平な課税をすることも、税務調査の目的です。不正によって納税額を抑えた人が得をし、正しく納税している人が損をするようなことはあってはなりません。また、税務調査が不正への抑止力となっている一面もあります。

 

2.税務調査の種類

税務調査は「強制調査」と任意調査」の2種類に大別できます。強制調査は、巨額の脱税や悪質な隠蔽が疑われる納税者に対して、国税局査察部が行う調査です。事前連絡はなく、裁判所の令状を得て強制的に調査するもので、立件を目的としています。調査を拒否することはできません。

 

任意調査は、税務署の職員が来社し、帳簿などを調べて不正や誤りがないかチェックするものです。一般的に「税務調査」と呼ばれているもので、税務調査の大半を占めます。「任意」とはいうものの受忍義務があり、調査官は帳簿の確認や質問の権利があるため、調査官への協力が必要です。

 

この記事では、後者の任意調査について解説していきます。日々適切に記帳し、正しく申告ができていれば、税務調査は過度に恐れることはありません。スケジュールや準備すべきことを知っておくだけでも、税務調査への心構えができるでしょう。

 

 

税務調査の流れ

税務調査はどのような流れで行われるのかを見ていきましょう。

 

事前通知・日程調整

強制調査のように、ある日突然税務署の職員が会社に来る、ということはありません。事前に電話で連絡が入り、顧問税理士がいる場合はそちらにも連絡が入ります。その際には以下の項目が通知されます。

・実施日時

・実施場所

・調査の目的

・調査の対象税目

・調査の対象期間

通知された日時で都合が悪い場合は、日程を調整してもらうことができます。税理士に立ち会ってもらう場合は、税理士とも日程を相談して決めましょう。

 

税務調査の事前準備

調査する税目や期間に合わせて、該当する資料を準備して当日に備えます。顧問税理士がいる場合は、必要な書類を確認し、調査官からの質問を想定して対応を考えておきましょう。調査の期間は数日間にわたることが多いため、税務調査用にスペースを準備して資料を集めておき、調査官がスムーズに作業できるように準備しておきます。

 

税務調査当日

税務署より調査官が来社し、経営者へのヒアリングや帳簿資料などの確認を行います。追加資料の提出を求められる場合にはスムーズに対応しましょう。必要に応じて、調査官が資料を持ち帰ったり、取引先に対して質問や検査を行ったりすることもあります。

 

調査官からの指摘に対する回答

実地での調査が終わったあとも、税務署より指摘や質問が行われます。調査後1週間から数か月の間やり取りは続き、結果を待つこととなります。

 

調査結果の通知

実地調査や事後のやり取りの結果が通知されます。何も問題がなければ「是認」、誤りの指摘があれば「修正申告」を求められ、正しく申告しなおす必要があります。このとき納得できなければ「更正の請求」を行い、修正申告をしないという選択もできます。

 

 

税務調査で準備しておくこと

帳簿書類の準備

税務調査では、調査官は売上・仕入・在庫・経費・人件費・預金などに関する様々な書類を確認して調査を行います。対象となる期間の以下の書類を準備しておきましょう。

 

会社の基本情報に関する書類 ・会社案内・パンフレット

・組織図

帳簿関係書類 ・総勘定元帳

・請求書

・領収書

・棚卸表

・固定資産台帳

・契約書(取引契約、業務委託、固定資産購入など)

・小切手・手形の控え

その他の書類 ・雇用に関する書類(社員名簿・雇用契約書類・賃金台帳・タイムカード等)

・取締役会の議事録

・法人税・所得税の申告書類

・預金通帳

・生命保険の証書

 

書類を準備したら、内容についても確認を行うとベターです。特に、大口の取引に関する見積書・契約書は重点的にチェックされます。売上・仕入について、期首・期末に発生主義で適切に計上されているかも確認しておきましょう。

 

調査開始後にミスが見つかった場合でも、指摘される前に修正申告を行えば加算税を最小限にとどめられます。契約書の収入印紙の貼り忘れを指摘された場合は、本来必要な印紙税の3倍の金額を支払わなければなりません。しかし事前に「印紙税不納付事実申出書」を提出すれば、本来の印紙税に10%加算されるだけで済みます。税務調査での指摘を受けないように、事前のチェックが大切です。

 

質問への準備

税務調査は経営者や経理担当者へのヒアリングも行われます。和やかな世間話からも調査の糸口を見つけることもあります。基本的に聞かれたことだけに答えるよう心掛けましょう。

質問を受けて口ごもったり戸惑ったりしていると、調査官に「何か隠しているのでは?」と思われかねません。事前に質問されそうな事項を予想してまとめておき、スムーズに答えられるよう返答を考えておくことも大切です。

 

その他の準備

税務調査では、事務所や工場、社長や経理担当者の机の中やパソコンを見られることもあります。見られても困らないよう整理しておき、個人的なものは持ち帰っておくようにしましょう。

 

 

まとめ

税務調査の内容を知らないために「よくわからないから怖い」と感じていた方もいるのではないでしょうか。税務調査は、任意調査であれば突然来るわけではなく、準備する期間があるため対策が取れるものです。

日常的な業務をきちんとこなして書類を整理しておけば、準備の負担だけでなく「いつ来るかわからない」という精神的負担も減らすことができます。税務調査の通知があった場合には慌てず社長や税理士に相談し、スケジュールを立てて準備を進めましょう。

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